デートDV・親密なパートナーによる暴力
子ども・若者へ
親密なパートナーによる暴力とは、親密な関係の中で相手を支配・コントロールするような振る舞いのことです。あなたも「家庭内暴力」「デートDV」というような言葉を聞いたことがあるかもしれません。親密な関係とは、彼氏や彼女との間柄、交際相手や恋人同士、夫婦、といった関係のことです。
親密なパートナーによる暴力には、様々なタイプの暴力やストーキング、ハラスメントを含む、たくさんの形があります。物理的な暴力は、叩く、殴る、蹴るといった行為を含みます。精神的な暴力は、見つけることがより難しくなりますが、悪口を言う、怒鳴る、相手に恥をかかせる、といった行為が含まれます。してよいことやいけないこと、行ってよい場所やいけない場所をパートナーに指示することでコントロールしようとすることも、精神的な暴力に含まれます。金銭的な暴力は、お金をパートナーに使わせないようにしたり、パートナーが自分のお金を稼ごうとするのを止めたりするなど、一方が他方のお金へのアクセスを操作することを指すでしょう。親密なパートナーによる暴力には、相手へのストーキング ― 相手が行く場所へどこでも付いてまわり、立ち去ろうとしないこと― や、相手に直接もしくは抑圧的なメッセージやメール、手紙を送ることで嫌がらせをすることも含まれます。さらに、性暴力 ― 相手の同意なしに性的な行為を強いること ― も親密なパートナーによる暴力に含まれます。誰かと誰かが交際関係にある時、二人は依然として、互いの持っている境界線を尊重する必要があります。あらゆる性的な行為に関して、それを行う際には相手に同意を求め、相手からの同意を受け取らなくてはなりません。
どのような形であれ、親密なパートナーによる暴力は、交際関係の中で相手をコントロールするということであり、決して許されることではありません。その暴力が、暴力を受けた側の責任であることは一切ありません。あなたのことを本当に思ってくれている人は、あなたの体を傷つけたり、あなたのしたくないことを無理矢理させたり、あなたに自分をだめな人間だと思わせたりしようとは決してしません。あなたのことを心から思ってくれている人は、あなたのことを誇りに思い、あなたのことを尊重してくれます。
もし、あなたやあなたの知っている人が誰かと暴力的な交際関係を持っているのなら、親やあなたの世話をしてくれる人、スクール・カウンセラー、セラピストなど、信頼できる大人に話してみてください。地域の女性センター、男女平等参画センターや、デートDVの相談窓口に問い合わせをして、カウンセラーと話すのも良いでしょう。
保護者・大人の方へ
会話のきっかけづくり
今は誰かとデートをしたり恋愛関係を持とうとしたりしていなくても、もしかしたら、あなたの子どもが人生の新たな一歩を踏み出そうとする日が来るかもしれません。親として、健康的な関係とは何かということについて知り、それについて子どもに話をすることが大切です。そうすれば、子どもはあなたにこうしたトピックについて質問をしやすくなります。
子どもとこのような話を始める最も簡単な方法は、テレビ番組や映画を一緒に見ている時など、日常生活の中でそれが出てきた際に話をしてみることです。
例えば以下のような方法で、会話を始めることができます。
もしテレビ番組や映画を見ていて、健康的な関係や不健康な関係に見られる振る舞いが描かれたシーンがあれば、話を始めるきっかけとしてそれを使うことができます。気になったシーンについて取り上げ、それについてあなたの子どもがどう思うか尋ねてみましょう。
一緒に夕食を食べ、子どもの日常に何が起こっているのか話をしてみましょう。恋人のいる友達や同級生について子どもが話すのであれば、その機会を使って、健康的な関係や不健康な関係について話すことができます。